コラムcolumn

2020年度からの大学入学共通テストと
これからの英語教育

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2020年度からの大学入学共通テストとこれからの英語教育

大学入試センター試験に代わり、2020年度から「大学入学共通テスト」が始まります。従来と比べ、大きな変更がある英語の試験では、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つの技能を求められるようになります。
これに伴い、小中高校においては、この4つの技能をバランスよく学習させる仕組み作りが欠かせません。これからの学校における英語教育にはどのような取り組みが求められるのか、正課授業と課外授業に分けて探っていきます。

大学入学共通テストとは

大学入学共通テストとは、これまでの大学入試センター試験に代わり、2020年度から実施される、大学の共通入学試験です。テストの実施時期はこれまでと同様、1月中旬の2日間ですので、初回は2021年1月に行われることになります。各大学は、この大学入学共通テストの結果と、翌月2月に各大学独自に行う個別入試の結果を基に選考します。

大学入学共通テストでは、国語、地理・歴史、公民、数学、理科、外国語の6教科30科目から選択して受験します。(2024年度からは簡素化を検討)

従来の大学入試センター試験と大きく変更になる点は、次(以下)の2つです。

1.記述式問題の導入(一部科目)
これまでの知識偏重の傾向を反省し、新しい試験においては、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力などが評価されることになります。そのため、一部科目では、従来のマークシート方式に加えて、記述式問題が導入されます。

2.英語の4技能評価
英語では、従来の「聞く」「読む」に加えて、「話す」「書く」を含めた4技能が評価されるようになります。これには、グローバル化が急速に進展する中、英語のコミュニケーション能力をより重視する背景があります。この4技能を評価するために、国が指定した民間の資格・検定試験が取り入れられることになります。2023年度までは従来のセンター試験同様の「聞く」「読む」のテストと、国指定の民間の資格・検定試験が併用されます。

学校が取り組むべきこれからの英語教育

以上のように、大学入学共通テストにおいて、従来の大学入試センター試験から最も大きく変更されるのは、英語の試験と言えます。対策として英語の4つの技能、「聞く」「話す」「読む」「書く」について対応できるよう、早期から教育していく必要があります。

特に、新しく加わった「話す」「書く」については、現在の学校教育では十分にカバーできていない部分が多いものです。そこで、今後、どのような英語教育が求められるのか、正課授業と課外授業の双方について、詳しくみていきましょう。

正課授業で求められること

正課授業とは、正規の教育課程に沿って行われる授業のことです。

文部科学省は「英語教育改革」において、グローバル化が進む中、アジアでトップクラスの英語力を目指すとし、今後は主体的に課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力などの育成は重要な課題だと述べています。

このことから、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能を活用して英語でのコミュニケーションを行う言語活動をより一層、重視し、小中高校での英語教育を通じて、発音・語彙・文法などの間違いを恐れず、積極的に英語を使おうとする態度を育成すること、そして英語を用いてコミュニケーションを図る体験を積むことが必要とされています。そして高等学校卒業時には、生涯にわたって4技能を積極的に使える英語力を身に付けることを目指すことが求められます。

・小学校
小学校においては「聞く」「読む」に加え、積極的に「話す」「書く」態度の育成を含めたコミュニケーション能力の基礎を養うために、「教科」としての英語が導入されます。2020年度から3、4年生は「外国語活動」が追加になり、5、6年生は成績で評価する教科としての授業が始まります。そして、グローバル水準を目指す観点から、英語習熟レベルが従来よりも上がります。

・中学校
中学校の授業においては、「身近な話題についての理解や表現、簡単な情報交換ができるコミュニケーション能力を養う」ことが求められ、「文法訳読」に偏ることなく、自分の考えや気持ちを英語で互いに伝え合う学習が重視されます。

・高等学校
高等学校の授業においては、発表・討論・交渉などの言語活動を幅広い話題で豊富に体験しながら、情報や考えなどを的確に理解したり、適切に相手に伝えたりできるコミュニケーション能力を高めることが求められます。

課外授業

課外授業とは、正規の教育課程外の授業のことです。実施されている内容は各学校によって大きく異なりますが、今後、英語教育が大きな変革を求められる中で、課外授業こそ活用すべき時間とも言えます。

これまでも、課外授業に英会話レッスンを採り入れている中学校や高等学校は多くありましたが、今後はさらに一歩進んで、グローバル人材を目指す素地作りのためにも、正課授業ではカバーしきれない、特に4技能の中でも重要視されている「話す」を伸ばす課外授業が求められると考えられます。

例えば、教室から出て、街中にいる外国人観光客に話しかけ、英語でのコミュニケーションにチャレンジするといった課外授業も必要になってくるでしょう。

英語教育に強い学校を作るために

大学入試制度の変更により、英語教育の重要性がさらに高まっている中、学校としては、より高いレベルでの英語教育を行うことが、優秀な学生を獲得するための重要なアピールポイント・差別化となっていくことは間違いありません。

そうしたときに、いかに早く新しい流れに対応していくか、そしていかに質の高い英語授業を正課、課外双方に取り入れていくかが重要になってきます。

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執筆者

松村 美恵Mie Matsumura
営業・教務の両面から、クライアントの課題を解決する法人向けサービスのスペシャリスト。
カリキュラム開発にも携わる。